ひらがなを"教えない"こと

 

 

果たしてひらがなの教育は、本当に必要なのか?

 

日本語教師なりたてのころ、私はひらがなを学習者に強要してしまっていました。

 

 

ひらがなを読めなければ、文法を教えられない。

「げんき」や「みんなの日本語」などの教科書が使えない。

日本に行っても、メニューさえ読めない。

 

そんなことを思っていました。

ひらがなは日本語の基本だ。だから、なんとしてでも教えないと!!!

私は必死に大量のひらがなカードを作ったり、Youtubeビデオを見せたりしました。

 

しかしそのせいで、生徒さんが日本語に挫折してしまったのです。

大失敗です。

 

 

今では、ひらがなを無理して教えないことにしています。

今回は「ひらがなを教えない」教授法を共有したいと思います。

 

おすすめテキスト

ローマ字だけで学べる教科書を使います。

 

1. Japanese For Busy People (Romanized Ver.)  

「ひらがなできなくて前に進めない!」という学習者さんをサポートできます。

Japanese for busy people は 初中級向けの「Ⅱ」もあり、文法練習が充実しています。

 

Japanese for Busy People I: Romanized Version

Japanese for Busy People I: Romanized Version

  • 作者:AJALT
  • 発売日: 2011/11/11
  • メディア: ペーパーバック
 

 

例えばUnit1の会話文はこんな感じ。

簡単な自己紹介ができるようになります。

イラストが少ないので、他の教材(げんきの絵カードなど)と合わせるといいです。

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Japanese for busy people

 

2.  Colloquial Japanese

この教科書もかなり良いです。

文法や語彙の説明もしっかりされており、練習問題も多いです。

 

Colloquial Japanese: The Complete Course for Beginners (Colloquial Series)

Colloquial Japanese: The Complete Course for Beginners (Colloquial Series)

  • 作者:Ogawa, Junko
  • 発売日: 2015/07/01
  • メディア: ペーパーバック
 

 

こちらもイラストがほとんどないので、他教材と組み合わせましょう。 

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Colloquial Japanese

 

 

3. まるごと (かつどう・りかい)

 

国際交流基金(JF)が発行している教科書です。

イラストが多く、ひらがな・カタカナの下にローマ字が書かれています。

 

  • かつどう:「聞く」「話す」ができる機会が多い
  • りかい:「読む」「書く」に重点が置かれている

 

音声教材をHPから無料でダウンロードできます。

教材ダウンロード | まるごとサイト

 

レベル別でA1〜B1までありとても魅力的なのですが、唯一の難点は、文法や語彙が少ないということです。

みんなの日本語やげんきとは違うアプローチなので、「すぐに使えるサバイバル日本語」を教えるにはいいですが、長期的な学習には上記の2冊も合わせて使用するといいと思います。

 

 

 

あとは、絵カードやパワーポイント、Youtubeビデオなどを使って工夫しています。

 

 

 

日本語学習は、楽しいのが1番。

 

特に趣味で習っている学習者さんには、無理してひらがなを覚えさせなくてもいいと思っています。

  

他にも何かいい教材や教案があれば、教えていただけると幸いです。