ひらがなを"教えない"こと
果たしてひらがなの教育は、本当に必要なのか?
日本語教師なりたてのころ、私はひらがなを学習者に強要してしまっていました。
ひらがなを読めなければ、文法を教えられない。
「げんき」や「みんなの日本語」などの教科書が使えない。
日本に行っても、メニューさえ読めない。
そんなことを思っていました。
ひらがなは日本語の基本だ。だから、なんとしてでも教えないと!!!
私は必死に大量のひらがなカードを作ったり、Youtubeビデオを見せたりしました。
しかしそのせいで、生徒さんが日本語に挫折してしまったのです。
大失敗です。
今では、ひらがなを無理して教えないことにしています。
今回は「ひらがなを教えない」教授法を共有したいと思います。
おすすめテキスト
ローマ字だけで学べる教科書を使います。
1. Japanese For Busy People (Romanized Ver.)
「ひらがなできなくて前に進めない!」という学習者さんをサポートできます。
Japanese for busy people は 初中級向けの「Ⅱ」もあり、文法練習が充実しています。
例えばUnit1の会話文はこんな感じ。
簡単な自己紹介ができるようになります。
イラストが少ないので、他の教材(げんきの絵カードなど)と合わせるといいです。
2. Colloquial Japanese
この教科書もかなり良いです。
文法や語彙の説明もしっかりされており、練習問題も多いです。
Colloquial Japanese: The Complete Course for Beginners (Colloquial Series)
- 作者:Ogawa, Junko
- 発売日: 2015/07/01
- メディア: ペーパーバック
こちらもイラストがほとんどないので、他教材と組み合わせましょう。
3. まるごと (かつどう・りかい)
国際交流基金(JF)が発行している教科書です。
イラストが多く、ひらがな・カタカナの下にローマ字が書かれています。
- かつどう:「聞く」「話す」ができる機会が多い
- りかい:「読む」「書く」に重点が置かれている
音声教材をHPから無料でダウンロードできます。
レベル別でA1〜B1までありとても魅力的なのですが、唯一の難点は、文法や語彙が少ないということです。
みんなの日本語やげんきとは違うアプローチなので、「すぐに使えるサバイバル日本語」を教えるにはいいですが、長期的な学習には上記の2冊も合わせて使用するといいと思います。
あとは、絵カードやパワーポイント、Youtubeビデオなどを使って工夫しています。
日本語学習は、楽しいのが1番。
特に趣味で習っている学習者さんには、無理してひらがなを覚えさせなくてもいいと思っています。
他にも何かいい教材や教案があれば、教えていただけると幸いです。